今回紹介する菱目打ちと平目打ちはレザークラフトの独特の道具です。

菱目?平目?
どう違うの?
今日はレザークラフトの道具、菱目打ちと平目打ちのお話です。
*こちらの記事は2017年12月31日に菱目打ちと平目打ちの記事を合わせて編集しなおしました。
菱目打ちって何?
革を縫っていくためには、まず穴をあけてから、そして麻糸を通していきます。
いきなり革に針をぶっ刺して縫っていったりはしません。
その穴をあける道具の一つです。
形はフォークのような形状です。刃が1本、2本、3本、4本・・・とあり、革の厚みや作るものの形状によって刃の本数を変えたりします。
菱目打ちの種類
菱目打ちには、刃が1本、2本、3本、4本・・・と本数が様々あります。
また、メーカーによって呼び方や本数や刃の間隔が違ってきます。
菱目打ちの刃の本数
- 1本
- 2本
- 3本
- 4本
- 6本
- 8本
- 10本
メーカーにより売っている本数が違ってきます。
主に使うのは1本・2本、4本あたりが使います。鞄など大きいものになれば6本、8本などを使います。
注意するのが、刃の本数が多ければそれだけ穴をあける距離をかせげるのですが、打っていく力が必要になるので、女性なら4本の刃で打っていくと比較的打っていく力も軽くなります。
菱目打ちの間隔の表示
メーカーにより幅やピッチで表示するので、確認が必要になります。
クラフト社
巾1.5mm → ピッチ3mm
巾2mm → ピッチ4mm
巾2.5mm → ピッチ5mm
巾3mm → ピッチ6mm
SEIWA
巾3mm → ピッチ3mm
巾4mm → ピッチ4mm
巾5mm → ピッチ5mm
巾6mm → ピッチ6mm
協進エル
巾3mm
巾4mm
巾5mm
ややこしいのはクラフト社ですね。巾とピッチで表示を分けていますから、購入時には再確認しましょう。
同じサイズの菱目打ちでメーカーが違っても間隔は同じなので、間隔だけはきちんと合わせてください。
上記メーカーの他にも、沢山ありますが、海外で生産させたノーブランドは切れ味が悪い場合があるので、安さに気を引かれず、大手メーカーの道具を購入することが、道具を長く使える一つの理由となります。
菱目打ちの使い方
皮革用ネジコンパス(ディバイダーと呼ばれることも)でラインを引き、菱目打ちで穴をあけていきます。
ディバイダーでラインを引くことによって、菱目打ちで真っ直ぐズレずに打っていくことができます。
初心者が持っておくべき菱目打ち
初心者ならば、まずは2本と4本を持っていたら、小物は作れます。
1本も持っていればいいですが、ズレて打ってしまう可能性があるのであまりオススメしません。慣れてくれば、持っていると重宝します。
鞄など大きなモノを作る時は、6本、8本を持っていればいいですが、前述でも書いたとおり、打つ力が必要になってきますので、女性だときつくなってきます。
革に厚みがあったり、硬かったりすると、4本でも穴をあけることがツライ場合もあります。
実際私の生徒さんは4本で苦戦している方もいます。もし自分が非力だというならまずは4本で慣れていってください。
メーカー別菱目打ち
クラフト社
SEIWA
協進エル
平目打ちって何?
菱目打ちと同様、革に穴をあける道具です。
菱目打ちと違って、平目打ちは刃が平行に並んでいます。
菱目打ちと平目打ちってどう違うの?
菱目打ちはナナメに並んだ刃です。
平目打ちは平行に並んだ刃です。
形状が違うので、手縫いした時の見た目も違ってきます。
平らな細い革ヒモを使って縁取りをして装飾する技法「かがり」があり、その時に平目打ちを使い、革ヒモを通す穴をあけていきます。
平目打ちの種類
平目打ちには、刃が1本、2本、3本、4本・・・と本数が様々あります。
また、メーカーによって呼び方や本数や刃の間隔が違ってきます。
平目打ちの刃の本数
- 1本
- 2本
- 3本
- 4本
- 5本
- 7本
メーカーにより取り扱っている刃の本数が違ってきます。
1・2・4・5・7本揃っているSEIWAがオススメです。
平目打ちの幅のサイズの種類
菱目打ちとは違い、刃の幅のサイズの種類があります。
- 2mm
- 3mm
- 6mm
- 12mm
- 20mm
- 25mm
手縫いで使う場合は2mmや3mmを使用します。
直線で大きく切り口を入れたい場合には幅広の平目打ちを使用します。
平目打ちの使い方
皮革用ネジコンパス(ディバイダーと呼ばれることも)でラインを引き、平目打ちで穴をあけていきます。
また、「かがり」で装飾するために穴をあけていきます。
革ヒモで縁取りをしていきますが、革ヒモの幅によって平目打ちの刃のサイズを合わせます。
レザークラフトの道具は作るものによって、必要になってくる
前述しているように、「かがり」をする場合には必要になってきます。また手縫いでも菱目打ちとは違って直線の縫い目になるため、好みによって平目打ちを使いたいのなら平目打ちを使います。
しかし、初心者には必ず必要というものではありません。
手縫いでは菱目打ちを使えばいいし、「かがり」は材料費や技術が必要になってきますから、作ることに慣れてきてから挑戦しても遅くはありません。
メーカー別平目打ち
クラフト社
SEIWA
協進エル
まとめ
菱目打ちと平目打ちは同じような道具ですが、刃の並びが違います。
そして刃の並びが違えば、手縫いした時の見た目も違ってきます。一般的には手縫いには菱目打ちを使いますので、初心者でこれから道具を買い集めようという方は菱目打ちを購入することをおすすめします。
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